Diaryの日記帳

映画、アニメの感想を中心に掲載します。

死んだ後の話

別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。 花は毎年、必ず咲きます。

川端康成

僕が学生だった頃の話だ。
朝の教室で、こんなことを言う人がいた。

死んだらどうなるんだろう。
死んだ後の世界、気になるなあ。

ふーん、そう。
冷たく僕は答えた。
今でも多分、そう答える。
何故なら僕は、その人が嫌いだから。
嫌いというのは言い過ぎかもしれない。
訂正しましょう。好きではないと。
彼からのLINEを未読無視して、何日経っただろう。
並々ならぬ精神力を持った彼は、それでも気にせずLINEを寄越してくる。
その人のことが好きではない僕は、気が向いた時にだけ返信をする。

さて、今日は死んだ後のことについて考えたいと思います。

結論から言うと、僕は死んだ後には何も無いと考えています。

予定なし。
やったね、これで誰から誘われても、何の躊躇いもなく承認できるよ。
重複する心配もない。
でも、予定が埋まっていなくても、体が壺に埋まっていたら意味ないか。

現世での行いが良ければ天国へ行き、悪ければ地獄へ行くという話もある。
でも、それって無神論者には関係ないんじゃないかな、と僕は思う。
「この前、宗教の人がさ」とクスクス下品な笑みを浮かべながら話す人が、ある瞬間に「ああ、早く死んで天国へ行きたい」とでも言おうものなら、僕は声高らかに笑うだろう。

死んだら何もない。
少なくとも宗教を持たない僕には、死後の世界に何も約束されてはいない。
でも、これは明日も、明後日も、一ヶ月後も、一年後も、漠然と生きているんだろうなと思えているからこそ、言えることなんだろう。

星と月がきらめく、鮮やかな秋の空の下、彼女が放ったその言葉に僕は悲痛なものを感じた。 自棄を起こしてるんだと思った。
結局それは不正解で、彼女は彼女なりに、人が生きて死ぬことに対して、肯定的な何かを見出していた。

僕は生死をさまよったことがない。
今日の24時きっかりに死ぬとしたら......と想像してみようとするけれど、何も得られそうもなかった。

死んだらどうなるんだろう。

その答えは分からない。
でも、何となくどうでもいいと思った。
難しいことは分からないけれど、「無」ではないことは確かだ。
この体がなくなって、匂いも声もなくなっても、何かが残る。
「無」があるとすれば、多分それはもう少し先のことなんだろう。

というわけで、

最初がどうでもいい話だったので、最後もどうでもいい話で締めたいと思う。

次にコンビニに行ったら、駄菓子コーナーに行くと僕は決めている。
探し物は、ポッキーだ。
ただのポッキーではなく、アーモンドクラッシュのポッキーだ。

以上、佐野徹夜さんの著書『君は月夜に光り輝く』の感想でした