Diaryの日記帳

映画、アニメの感想を中心に掲載します。

紅茶とマドレーヌ

きみはこう思うことはないか、言葉になんて意味はない、とね

伊藤計劃虐殺器官

高校生の頃気になっていた名前も知らないあの娘に、同窓会で再会する。
偶然近くの席に座った僕は、彼女とのぎこちない会話の中で、小学校も同じだったという驚愕の事実を知る。
スマホに卒業アルバムの写真が入っているというので見せてもらう。
僕は必然的に体を寄せる形になる。
急に顔が熱くなったのは、きっとお酒が今になって体に回り始めたからだろう。

「一緒に帰ってた時期があったんだけど、
覚えてないよね......」

そんなことはなかった。
覚えている。
彼女の艶かしい指に包まれたスマホに映し出されたその娘のことが、僕は大好きだった。
どうして忘れてしまっていたんだろう。
不思議でならないけれど、不安そうな顔をしている彼女に返事をすることを、今は何よりも優先しなければならない。
何て言えばいいんだろう。
忘れていたことに対する罪の思いもある。
でも、今はそれよりも言いたいことがある。
気がつけば、それは僕の口から溢れていた。

「久しぶりだね。
今もあの妙な食べ方は続けているのかな。」

その言葉を受けて、彼女がどんな顔をしたのか僕は知らない。
だってこれは、何もかも妄想だから。


そんなドラマチックな出会い、ありっこないよって思っていたけれど、最近似たようなことがたて続けに二回も起きたので、世の中何が起こるかわからないなとつくづく思う。
胸に渦巻くこの思いを爆発させてしまいたいけれど、それはまだ早すぎるようにも思える。
せっかく爆発させるなら、どでかく行きたいってのが男ってものじゃないか。
だから、今はまだダメだ。
もう少し火薬の量を増やす必要があるし、その予定もある。
それにタイミングも大事だ。
昼間の爆発よりも、夜の方が目立つに決まっている。
ここまで言っておいておかしな話ではあるけれど、届かなくてもいいとも思っている。
「思いを爆発させたい」と思えるような出会いがあった。
そのエピソード自体が、かけがえのない宝物。
でも、書けば書くほど居てもたってもいられなくなってしまうから、綺麗事でしかないような気がしてきた。

偶然、このブログを執筆中、件の人物の配信が始まったので、ここに記載してしまうことにする。


学生の頃「again & again 」帰りの電車でよく聴いてました。
大好きな曲だったけど、あなたの書いた曲だって知りませんでした。
今も昔も、あなたのことを愛しています。